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自然災害の増加等による火災保険料の上昇の影響と対応

損害保険大手4社が10月以降、火災保険料を全国平均で10%前後上げるため、保険に入り
たくても入れない消費者が更に増加することが想定されます。火災保険は住居の火災のほ
か、水災や風災による建物や家財の被害を補償しますが、自然災害の多発で保険金の支払額
が増加しており、大手4社を合算した火災保険の収支は13年連続で赤字が続いています。

 

これまでも各社は収支改善に向けて保険料を断続的に引き上げると共に、保険引き受けの
審査を厳しくするといった対策を取っており、築40~50年を超える一戸建ての住宅は劣化
度合いによって免責額を設ける等の対応も行っています。

 

しかし、火災保険に任意でつける水災補償は、保険料の増加によって水害のリスクが低い地
域では保険料の負担を抑えようと保険離れの動きが広がっており、17年度に7割だった付
帯率は22年度には6割程度まで下がる結果となりました。

 

今後も保険料が上がり続けると、リスクが高い人ほど保険料が高くなるため、保険に入りた
くても入れないというプロテクションギャップが益々大きくなることが想定されるため、
保険に依存するのではなく、被害を最小化する取り組みを行うことが求められます。

 

世界的にも自然災害が増え続ける中で、保険の加入率が低いアジアや中南米では8割が無
保険であり、経済的な損害をカバーできない事例が多く出ており、災害発生時に途上国の
財政は圧迫されやすい状態となっています。

 

企業においても火災保険料の増加は大きなコスト増となるため、保険への依存度を下げる為に、水害等に対する防災対策や水辺に事務所を置くことを避けるなどのリスクコントロール対策を行うと共に、万が一に備えてBCPの策定等を行っておく事が求められます。