多くの企業が財務戦略やリスクマネジメントの手段として、
保険という金融商品を企業価値に結び付けていません。
適切な保険活用に必要なのは、保険商品の選択ではなく、
財務状況とリスク環境の把握です。
本企画では、数回に分けて企業保険の本質的な考え方や選び
方を通して、企業の保険活用の在り方を紹介します。
企業が陥る保険活用の間違い
個人と法人では保険に対する考え方が全く違います。
しかしながら、多くの企業が個人の発想で保険を選択し、
誤った保険契約をしている現状があります。
保険料は費用ではなく投資と考える
企業が保険に入る目的は、自社の理念とビジョンの達成であり、
経営計画を狂わせるリスクを保険という金融商品を活用し、効
果的・効率的にコスト化して達成確率を上げることで企業の存続
・発展を実現することです。つまり保険は、未来の不確実性を
排除し、前向きな投資を促すことで、企業の発展を支える必要
不可欠な投資であると考えることが大切です。
保険料は企業のリスク量によって大きく変動するため、リスクを
取って未来に向かって発展的にチャレンジする企業ほど保険料が
増大する傾向があり、能動的に保険料をコントロールする必要が
あるとともに、戦略に寄り添う形で保険を適切に活用することが求
められます。
そのため、企業は保険という金融商品が持つ価値をしっかりと理解
し、自社の経営体質や資産状況、財務状況等の企業実態やリスク環
境に見合った適切な保険活用を実践する必要があります。
しかしながら、リスクは非常に多岐にわたること、リスク量の分析
・評価には高度な知識や経験が必要なこと、保険商品は非常に複雑
であり、不確実性の高い金融商品であることなどの理由から綿密な
リスク分析や保険商品の比較をすることもなく、勧められた保険に
入っている企業が多いのが実情です。
しかし、保険は企業の存続を左右する非常に重要な意思決定であり、
能動的・積極的にリスクを取って発展するために効果的・効率的に
保険を活用することが求められています。
本企画では、企業がいかにして保険を有効活用して企業価値を高め、
保持していくかについてしっかりとお伝えしたいと思います。