人手不足が最高水準の地域もあり、業種では女性の正社員が非正規を上回り、アルムナイ組
織なども増加していますが、出生数が70万人を割り込むなど、労働力の継続的な減少が見
込まれます。企業にとって、労働力の確保はますます困難になり、人手不足が成長の妨げと
なるリスクが高まっています。特に製造業や小売業、運輸業などでは、人手不足が業務効率
やサービス提供能力に直接影響するため、具体的な対策が必要です。

一部企業では、採用基準の緩和や職場環境の改善を進めています。例えば、スーパー業界で
は髪色やネイルの規制を緩和し、応募者のハードルを下げる動きが見られます。また、従業
員の紹介制度を導入し、紹介者に報奨金や特別休暇を与えることで採用活動を促進する事
例も増えています。これらは、多様な求職者を迅速かつ効率的に確保するための効果的な取
り組みです。

さらに、アルムナイ組織の活用や外国人技能実習制度の導入も注目されています。退職者や
内定辞退者との関係を再構築し、ビジネス上の協業や再雇用の機会を提供することで、外部
で得た知見を組織に取り込むことが可能です。一方、外国人技能実習生の受け入れは国内採
用の補完策となりますが、適切な教育や環境整備が欠かせません。

女性の正社員化が進む一方、管理職への登用や賃金格差の是正は依然として課題です。企業
は、育児支援制度や柔軟な勤務形態を導入し、働きやすい環境を整える必要があります。同
時に、男性の家事・育児への参加を促進し、全社的な意識改革を行うことが重要です。

限られた人材を最大限活用し、持続可能な事業運営を実現するため、企業は採用戦略や働き方
改革に積極的に取り組むことで、労働力減少リスクを軽減し、競争力を維持していく必要があ
ります。